冷たい日本茶の作り方

新茶予約で合掌する?!

「新茶予約をたくさんしてくださるお得意様から申し込みが昨年通りに来ると、『今年も元気で生きていてくださった』とスタッフと手を合わせる」というお声を、新茶の季節に複数のお茶屋さんから聞きました。そのくらい、常連さん、特に上得意さんの年齢層はアップしているのですね。今後もお茶専門店を続けていくのであれば、今の常連さんに依存しているだけでは危険だと皆さん口を揃えられる。けれど、若い、まだ見ぬ未来の常連さん(通称ミライさんと呼びます)のためにどう一歩踏み出したらよいかわからない。今ある定番商品には、それぞれお客様がついている。それを並べずに、新しい商品のラインナップ(プチギフトなどのセカンドライン)を並べてもミライさんで売上は立つのか??悩みはつきないとおっしゃいます。

ミライさんをつかまえる

定番商品はそのまま、ということを推奨したいです。定番の100gをやめて50gにする、という発想では、常連さんからもミライさんからも選んでもらえないと思うのです。ミライさんは、今はペットボトルで充分と思っています。急須を持っていません。急須で淹れた経験があまりないので急須で淹れる価値も理解していません。急須の持ち方がわかりません。「チャタクって何?ああー、コースターのことね」という感じで、茶托という言葉も知りません。伝えなければ伝わらない相手です。
 ここに種を蒔くのです。一か月に1つテーマを決めて、日本茶を体験してもらうのはいかがですか。

当たり前が専門性!?

今のシーズンなら「水出し茶」。定番商品はそのままに、「お茶が水で出せる、ということを伝える」のです。店頭での声掛けは「いらっしゃいませ」ではなく、「茶葉と水だけで緑のキレイなお茶、甘みのあるお茶、香り高いお茶が作れます。冷たい緑茶の作り方、レッスンします」と言うのはいかがでしょうか?
 「水出し茶」と書いてあって、ガラスの器に氷を浮かべた緑茶の写真がある袋。これを並べていたら購入してくれたのが常連さん。ミライさんには、「冷たいお茶は自分で作れる」ということを伝えることがまず必要なんです!!
 「えっ、専用の茶葉でなくても水で出せるの?」「氷で出したらこんなに甘いの?」と感動してもらえたら、自分だけでなく、まわりの人にも渡したくなるカタチにギフト展開していることも大切です。お茶屋さんの当たり前がミライさんにはサプライズ!お茶屋さんの当たり前に専門性を感じます。見た目重視の「冷たい緑茶の作り方」で、ミライさんの前髪を掴みたいですね。