日本茶エントリーユーザー

茶器の味比べ?!

1月、戸越銀座に出した実店舗「茶雑菓-ちゃざっか-」で、同じ茶葉を3種類の茶器で飲み比べる、というイベントをしました。
ふつう、お茶の飲み比べ、というと、茶葉の種類を「深蒸し茶」「ほうじ茶」「和紅茶」などと変えて、それを飲み比べる、ということが多いと思うのですが、今回は、茶葉は一択。深蒸し茶オンリー(創業150年の老舗 心斎橋・宇治園さんの看板茶「小佳女-おかめ-」)。週末は店頭で茶器の実演販売をしています。特に、盛り上がるのは「ほうろく」の実演販売です。
茶器は、割れない透明急須、フィルターインボトルの大容量タイプの「カーク」と同じくフィルターインボトルの持ち運びできる少量タイプの「ポータブル」の3種類です。

濃い原液を作り置きして希釈する?!

同じフィルターインボトルでも、1,200ミリリットルの「カーク」は常温での「水出し茶」。450ミリリットルの「ポータブル」は茶葉を12グラムで水は半量にしてすごーく濃いお茶原液(!?)を作って、それをお湯で希釈。カルピスの濃縮タイプを水で割って飲む方法に挑戦しました。最後に3つのどの味が好みだったかを投票してもらう方法です。
皆さんの好みが知りたいのでアンケートとってます、という声かけだと、若い子でもハードルが低いようで、たくさん参加してくれました。
最初に急須で淹れて、そのあとの2つは準備したフィルターインボトルから注ぐことで、かなりの時短で3種類が楽しめます。実際にワークショップをしてくださった宇治園さんは、お客様が少ないときには15分くらいかけて対話し、お客様が多いと最短90秒の説明と試飲でした。

急須が売れない理由

結果、どうだったか?
投票は、気温が10度を超えるときれいに3分割。寒さが厳しい日は急須が圧倒的に多いです。「やっぱり急須よねー。このしっかりとした味わい」みたいな声もたくさんありました。
けれど、この期間で、割れない透明急須は一つも売れなかったのです。売れたのは、カークかポータブル。
「やっぱり急須よねー」と発言しても、購入はフィルターインボトルになるのですよ。
その理由は「自分は急須では上手に淹れられない」「急須を買っても腕前がないから無理」という言葉に集約されます。急須だけにこだわらないで「これなら自宅で私でもできるかも」と思わせることが、日本茶のヘビーユーザーでない方たち(エントリーユーザーと呼べばいいかな?)には必要なんだな、と感じました。
10坪の小さなお店。まずは日本茶を好きになってもらうことから、試行錯誤しています。