日本茶は句読点

どうせ飲むなら日本茶

 今年の座談会の中で、家にいる時間が増え、外食が減る中で、日本茶を飲む頻度は確実に増えていました。
理由は大きくふたつ。一つは、どうせ飲むなら免疫力アップにつながるものを飲みたい。二つ目は、通勤時間がなくなり、時間に余裕ができたので、淹れる手間がかけられるようになった。というものです。
コロナとどう付き合っていくか、という局面の昨今ですし、リモートワークや外出自粛も一時期に比べて緩和されていますが、以前の生活に戻る中でも日本茶を「暮らしの句読点」として飲んでもらうために、私たちは何ができるでしょうか?

免疫力を冬にもあげる方法

 「水出し煎茶で免疫力アップ!」とでかでかと表紙に書かれたムック本には、水出し緑茶の機能性は、温めても変わらない、とありました。気温が下がり、温かい飲み物が欲しい季節になっても、水出し茶の習慣を途切れさせたくない! あるお茶屋さんでは、濃い原液水出し茶を、冬はお湯で希釈するという方法をお客様に伝授しているそうです。
トークも絶品!「宵越しのお茶は飲んだらいけないと思ってらっしゃいますよね? ちがうんです。宵越しのお茶を上手に活用したら免疫力が上がるんです。」なるほどー。
このトークから、冬でもお客様はフィルターインボトルを棚の奥に仕舞わないようになり、夏に水出し煎茶でつながったお客様を年間顧客にできるとのことでした。

日本茶を淹れるときの色・香り・音。

 二つ目の淹れる手間について。「淹れる時間自体がオンとオフの切り替えになる」という発言を、座談会で複数聞きました。よくよく掘り下げて聞いていくと、切り替えのポイントは、一つは香り。一つは色。なんですね。
確かに、香りと色の美しさは、ペットボトルとの大きな差になるのかもしれません。特に温かいお茶は「のどの渇きを癒す」のではなく「ゆったりと深呼吸できるような間合を運んでくる」という風に消費者はとらえています。
「香りは脳にダイレクトに来る」「パソコンで疲れたとき緑茶のきれいな色は目の保養」という発言から、味以外の要素の方が伝わりやすいかもしれません。刻音( くわしくはこちら )という新しい茶器は、お茶を淹れるときの「音」まで楽しめる茶器。淹れるプロセスに付加価値をつけることが大切です。