新茶を水出しでテイスティング

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予想外の盛り上がり
毎年恒例のイベント実験、神楽坂楽山さんの店頭で今年はフィルターインボトルパーソナルを使って、新茶のテイスティングに挑戦しました。取材にいらした新聞社さんの女性記者が「こういっては失礼極まりないのですが、日本茶のイベントがあれほどまでに盛り上がるものとは思ってもいませんでした。私が伺っていた短時間でさえ、通りすがりの何人もの方が実際にテイスティングを有料で体験されていて、本当にびっくりしました。」というメールをくださった通り、11時から15時で後半は雨降りだったにも関わらず72名の方が500円を払って水出し新茶のテイスティングに参加され、パーソナルサイズのフィルターインボトルと新茶ギフトは当日13個の売上、レジを通ったお客様の数は228名。消費者の方とたくさんお話をさせていただきながら、日本茶の可能性に励まされた一日でした。その中で、「へええ」という思いで発見した気づきについてご報告しますね。
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目盛りが決め手?!
 年配の方は急須を持っているし、「暑い季節も熱いお茶」とおっしゃるのでフィルターインボトルは関係ないのかな、という思い込みがありました。しかし、ある年配の女性が「目盛りがついているから熱中症予防にいいわ!」と2本購入されたのです。「目盛りって???」と疑問に思いお尋ねしたところ、こんな答えが返ってきました。
「急須でお茶を飲んでいるとどのくらいの量を飲んだのか把握できない。保健所で●ミリリットル以上飲みなさいと言われ、どうしたらいいんだって悩んでいたけれど、このボトルから飲めば摂取した水分量が見える化できる。温かいのを飲みたかったらチン!すればいいんだし、小さいサイズを2本順番に作っていく方が一人暮らしにはちょうどいい」
「へええ」と深く納得したワタクシは、年配の方が来たらさりげなく「さっきご購入された方は熱中症対策っておっしゃっていましたよ」とお伝えするようにしました。「なるほど」とおっしゃると、それが買う理由になるんです。購入決定のポイントを水平展開することで売上は上がりますね!
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コーヒー好きは嗜好品好き
もう一つ。コーヒー好きの人がテイスティングに参加すると質問が多くマニアックですが、それはつまり嗜好品が好きなんだな、と感じました。「単一農園単一品種」のことを「シングルオリジン」と言ったり、「急須で淹れる」ことを「ハンドドリップ」と言ったり、なんかカッコイイ言葉を選択されます。手間をかけてドリップコーヒーを淹れている人の方が、日本茶を淹れる手間を厭わない可能性は高い。「試しに」と大走りの新茶を購入いただけたのは、こういう方でした。
「私、口に入るのならどれでもいいんです」というヒトよりも、「コーヒー好き」の方が、日本茶を知りたいという野望は沸々とあるように思います。ある方が、井の頭公園の近くに日本茶とコーヒーのカフェを立ち上げられたのですが、お客様の中には、コーヒーを注文するつもりだったのにカウンターに鎮座する急須と湯冷ましを見て「緑茶にする」と路線変更する方が結構いらっしゃるとのこと。
「伝える」と「伝わる」は大きく違う。伝わるように伝えることがきっと今一番求められていると思うのです。