日本茶へのハードルを、どう考えるか?

若者の茶葉飲用初心者への具体的なアプローチは?

 コロナで若者の茶葉飲用が増えた、という前月の記事に、たくさんの感想をいただきました。曰く「ペットボトルしか飲まない人が日本茶を選ぶときに、従来の産地別とか製法別では響かないのはわかるが、具体的にどうしたらいいのか?」という主旨のお話が多かったので、今回はそこを深掘りしてみようと思います。
 ポイントは二つ。一つは「ハードルを下げる」。もう一つは「ハードルを飛び越えたくなる」ことです。

日本茶へのハードルを下げる!

 お茶は難しい、上手に淹れられない、全部使いきれる自信がない、どう保存したらよいのかわからない。だから、どう選べばよいのかわからない。
消費者座談会ではいろいろな声がでますが、全部のハードルを一度に下げようとするのではなく、一つのハードルに焦点をあてて、そこを下げて訴求した方が伝わります。たとえば、「お茶の淹れ方がわからない」という声に対して、どこに焦点をあてるか、をまず決めましょうということです。
たとえば「茶葉の量」に焦点をあてるなら「計量スプーンを付ける」「一回分の個包装にする」「ティーバッグにする」などが解決策になります。
たとえば「お湯の温度」に焦点をあてるなら「熱湯用」「常温の水用」などと、微妙な温度帯を避けた商品にする。「茶葉に氷を置いて、氷に熱湯をあてる」みたいな、絶対失敗しない裏ワザにフォーカスした商品にする。などが解決策として浮かびます。
正解は一つではないので、色々な意見を出し合ってみると、アイデアはきっと進化していきますよ!

日本茶へのハードルを飛び越えたくなる!

 ハードルを下げただけでは、飛び越えようと思いません。次に必要なのは、飛び越えたくなる仕掛けです。
前月の記事の最後の方に記述した「レシピサイト」や「茶器プレゼント」や「オンライン茶畑・茶工場ツアー」に袋のQRコードで飛べるようにする、というのは、ハードルを飛び越えたくなる仕掛けです。
他にも、前述の「熱湯用」には「部屋中に香りが広がるアロマ系」、「常温の水用」には「ガツンとうまみが広がる●●系」とサイドコピーを書くなどすれば、ハードルを飛び越えたくなるかもしれないですね。
こちらも正解は一つではなく、無限にありそうです。
ペットボトルから茶葉飲用の曲がり角にいるビギナーさんのためにも、「ハードルを下げる」「ハードルを飛び越えたくなる」の両方を意識して具体的な商品開発のお力になれたらうれしいです。