抹茶と粉末緑茶のちがい


おうちで抹茶!?
2017年グループインタビューの旅、終わりました。東京4回、福岡2回、京都2回、静岡2回。東京だけは「3歳以下の子どもがいる人」「定年前後3年」「既婚で働く女性」「未婚で働く女性」とモニターさんを絞り、今回、抹茶と粉末緑茶がテーマでした。
今までの座談会でも「私、抹茶大好き!」とか「抹茶なしでは生きられない!!」という発言はあるのですが、十中八九は、抹茶味のスイーツの話。稀に、家でお菓子作りに使うとか、お正月は茶筅で抹茶を点てるという方がいる程度。こんなに抹茶が好きならば、フィルターインボトルパーソナルを使って、おうちで抹茶を気軽に作れるという訴求は、響くのか否か、試行錯誤をしてきました。

無糖の濃い抹茶でカフェメニュー
まず、おうちに抹茶があるヒトは60人中10人。京都が半数です。茶筅で点てるのは3名。お正月だけ。おいしい和菓子をいただいたとき。「疲れたら抹茶を点てると気持ちをリセットできる」と言うお茶のお稽古をしていた女性。
フィルターインボトルパーソナルに抹茶と水と氷を入れてシェイクして作るのを見せても、「ふーん、なるほど」という静かな反応ですが、牛乳をカップに入れて後からフィルターインボトルで作った「濃い抹茶原液」を投入して牛乳が抹茶色に変化するのを見ると「わあーっ」と歓声が上がります。試飲をすると大好評!「市販の抹茶ラテは甘いけど、これなら甘くなくておいしくてヘルシー!!」「豆乳に変えたらもっと健康的ですね!」「疲れた時にはメープルシロップやはちみつを加えたら、カフェメニューみたいですね!」「毎朝飲みたい!!」というプラス評価が続出します。
一方「粉末緑茶」や「インスタントティー」派は増えていて、この場合は簡単で茶殻が出ないこと、栄養をまるごと摂取できることが選ぶ理由にあがります。自宅で使っていなくても、職場では、冬は来客用のお茶がスティックタイプの粉末茶やインスタントティーだという人が5人もいて、「おいしくないけど便利」「淹れるストレスなし!」「自宅で飲むお茶はきちんと急須で淹れたいけど職場のお客様にはこれで充分」という評価です。つまり機能性の評価。抹茶が情緒的に評価されているのと対照的です。
粉末緑茶ラテ!?
「抹茶と粉末緑茶の違いは?」と質問すると、「抹茶は高級・粉末緑茶は安い」「抹茶は美しい緑色・粉末緑茶は黒っぽい緑色」「抹茶はまったりおいしい・粉末緑茶は苦い」というイメージです。製法について質問されることも多かったですが、「陽に当てないで育てる、碾茶という工程、臼で挽く粒度」などを説明し始めると、途端に興味がなくなって、ほぼ聞いていない。なんとか伝わるのは、「直射日光→茶葉の日焼けの有り無し」の話と「粒度」の話。しかし、それを理解したところで購入する理由にはなりません。
「粉末緑茶でラテを作る」と言うと興味を示しませんが、「抹茶ラテ」には興味を示す。「高級アイスクリームも粉末緑茶ってないじゃないですか?」と言うので、「グリーンティーと言うのはきっと粉末緑茶じゃないかしら?」と返したら、「えーっ、じゃあ粉末緑茶もグリーンティーって言えばいいのに~」と盛り上がりました。
正しく伝えることよりも、情緒として伝わるようにどう差し出すか、アイデアをたくさんもらった座談会の旅でした。