サプライズという贈り物。

ギフトはどんどんパーソナル!?

 座談会で必ず事前に記入していただくアンケートの項目に、「昨年一年間であなたが贈ったギフトを書いてください」というのがあります。このカキコミを見ると、ギフトがパーソナル化していることが深く強く実感できます。

 座談会を開始した1995年当時は、「中元 ビール 仲人・親戚など10件」みたいな記述が大多数でしたが、今は「夫への誕生日プレゼント」「父母の金婚式のお祝」「娘の恩師への発表会のお礼」などなど、カキコミは何行にもわたります。そしてお裾分け以外は、個別対応が主流。「○○さんのために選ぶ」ということですね。○○さんが喜ぶには何がいいか、と考えて、商品やサービスを選んでいる感じです。


キモチを込める余白を作る。

 「○○というレストランでは、フルーツの盛り合わせにろうそくと花火(?!)を飾って、お店のスタッフみんなが歌を唄って盛り上げてくれた」「ホテルの写真室で撮るような写真ではなく、リラックスしたポートレートを連写してデータを全部くれるフォトスタジオで、二人の写真を撮るのが結婚記念日のプレゼントだった」など、単なるモノではないサービスとの複合が、座談会でクチコミされる、いただいてうれしかったギフトの主流。そして「感動した」のは、自分を喜ばせようと知恵や時間をかけてくれた相手のキモチに対してなのです。

 逆から考えると、日本茶というモノにいかに「キモチを込める」余白を作るか、ということですよね。かつてギフトの定番品として君臨してきた歴史があるだけに、なかなか自由な発想が難しく悩むところですが、フルーツ専門店のギフトで座談会で出た話、もしかしたら参考になるかもしれません。


情緒をシゲキする仕掛け?!

 座談会で出たのは、地方の「シャッター通り商店街(!?)にあるフルーツ専門店」の話。そこは店主が「フルーツのソムリエ」の資格を持っていて、奥さんがラッピングをしてくれる。たとえば三ケ日のみかんを贈るとすると、市場で買い付けて店に来た段ボールを、必ず開いて一個一個チェックして、要望があればラッピングまでして箱に詰めて贈ってくれる。「プロのチェックが入っている安心感がある」ことと、フルーツのラッピングは見たことないのでその手作り感が気に入ってわざわざ足を運ぶ、というお話。今ではギフト用の高級フルーツを使って作る売り切れ御免の生フルーツゼリーが行列が出来るほどの人気なのだそうです。(これで廃棄ロスゼロという戦略と想像しますが、上手な仕組みですね!)

これを日本茶に置き換えると、日本茶インストラクターが、贈る相手の情報を頼りに(たとえば血液型や動物占いや誕生日の星占いとか)日本茶をブレンドしてあげる、という感じ。いやいや、色々な気分に合わせたお茶があって(それも一つずつは少量でかわいいパッケージに入っていて)それを組み合わせてギフトを作れる感じ。ぜったい「和」テイストの小物と合わせられるのがイイ。そして最後はラッピングね、と座談会は盛り上がりました。根っこは常に「相手を驚かせたい、喜ばせたい」という贈る側のキモチ。この情緒的なものに、どれだけ応えられるかが、これからのギフトの必須事項なのかもしれません。