不景気と食の関係

2009年、座談会の旅、始まる

 4月19日、2009年の消費者座談会の旅が始まりました。場所は東京、25~44歳/45歳~64歳の女性2グループと男性で、一日に3つの座談会をしてきました。この後、埼玉・福岡・大阪・静岡と行脚しますが、男性の座談会は東京のみでの実施なので、まずは「不景気と食」について、男性と女性の違いについて、今回はご紹介します。

 座談会の流れとしては、最初に2010年新茶パッケージのデザイン投票、自己紹介、緑茶の飲用実態、緑茶購入ポイントという風に進め、「ところで今、百年に一度の不景気と言われていますよね。どうですか?実際の生活の部分で、昨年十月以降、自分の生活を変えた、ということありますか?特に『食』に関する部分について教えてください」という感じで聞きました。


節約はエコに繋がる?!

 ダントツにテンション高く「変わったー!!!」の大合唱だったのは、若い女性グループです。外食を減らした、高級食材を扱うエリア(デパ地下や高級スーパー)に意識的に足を踏み入れないようにしている、甘いもの目当ての食べ歩きの頻度を落とした、チラシのチェックは厳しく特にタイムサービスに群がる、お惣菜ではなく旬の食材から作るようにしている、食材を捨てないで使い切る(茶ガラを干してホットケーキやクッキーに混ぜたり、抹茶塩もどきを作ったり、天ぷらに使うというツワモノもいました!)、ベランダをガーデニングではなく菜園にして無農薬野菜を作るなどなど‥。

 これからの人生が長く、まだまだ子どもにもお金がかかりそう、不安がある割に貯蓄がない、という感じなのでしょうか、実際に世帯年収が下がっていなくてもお財布の紐はカタイ!しかし、どこか「節約を楽しんじゃおう!」という心意気や、「不景気だとムダをしなくなるのでエコになる!」という前向きな姿勢があるのが大発見! 不景気を嘆くのではなく、この不景気が産み落とした新しい価値観に着目する方が面白いかも!?と勇気をもらいました。


メリハリをつけてお金を使う。

 年齢が高い女性のグループは、もう少し冷静です。「今のマスコミは騒ぎ過ぎ」などという批判も出て、派遣切りに対しても、自分の問題として想像している感じはありません。

 「外食を減らす」というのも「グレードは落とさず頻度を落とす」「わざわざ食べに行く、というような事前に計画しての外食は減っていない。減っているのは、なんとなく手間だから食べて帰ろうか、というような成り行きとしての外食。どうでもいいファミレスの利用は激減した」という風に、お金を使うところ使わないところのメリハリをきっちりつけている様子が伺えました。

 「お茶のグレードを下げましたか?」という質問には、「日本茶は贅沢というよりも基本の食材だから、そこまでケチケチしたら生活がギスギスしてしまう」「まずい日本茶を毎回飲んでいたら性格までひがみっぽくひねくれそうなので、百グラム八百円以下は買わない」という感じ。自分用のお茶に対しては、そんなにマイナスの動きはありません。逆にギフトについては、「価格ではなくセンス」「気持ちが伝えられるちょっとしたモノ」という感じで、200グラム缶2本入れのような従来のギフトに比べて、低価格化しているのがよくわかります。


節約の話題はテンションを下げる?!

 一方男性は、景気の話を振ると、仕事の話にジャンプして、ご自分の生活者としての実感は希薄なように感じました。「私生活?あんまり変わらないなー」「ああ、飲みに行く頻度が減ったなあ」「家内はガーガー言いますよ」「エコ運転しています。ガソリン代は減りました」「待機電力を切るのを習慣にしました」「電球をエコタイプのものに替えました」など、食生活よりも光熱費系のところに工夫をしているようです。

 もう一つ。男性陣は節約を美学ととらえない、節約の話題はテンションを下げる、というのも大きな特徴でありました!