意見と事実のちがい。

香取慎吾は若い?!
ここのところ、消費者実態調査の出前報告会が続いていたのですが、その中で結構興味を持っていただいて、感想のアンケートに「意見と事実の話は色々なことに応用できそうなので、これから意識してみます。」と書いていただくことが多いネタ(笑)について、今回はお話します。
私たちが商品開発をする場合、大切にしているのは「意見なのか、事実なのか」というポイント。たとえば「新撰組!で主演している香取慎吾クンは若い。」というのは、「意見」でしょうか?「事実」でしょうか?
(報告会では、ここで参加している方に直接質問するのですが、「事実」と答える方が圧倒的です。)
でも、実はコレ、「意見」なのです!

香取慎吾は27歳!

「事実」は、香取慎吾クンの実年齢です。
「若い」というのは、その方の「意見」なので、たとえば小学生に「香取慎吾は若い?」と質問すれば、「えーーー、もう20歳過ぎたらオジサンだよ!」と答えるかも知れない。つまり「27歳という年齢」が「事実」で、それを「若いと思う」ことは「意見」と考えるわけです。
商品開発をする場合、この「意見」と「事実」がゴチャゴチャになる場合が多い。
「これは若い女性に受けるはずだ!」「これは主婦が飛びつくだろう!」というのは、実際に女性や主婦に聞いたデータの裏付けがない限り、発言者の「意見」であって「事実」ではナイのですが、この発言者が力を持っていると、あたかもこれが「事実」のように一人歩きをしてしまいます。

新茶の文字は赤文字?
以前当社には「新茶の文字は赤。」という不文律がありました。「新茶は茶業界の正月だ。めでたいんだから赤文字だ。」という社長の信念があって、赤以外の文字で「新茶」と書くのは想像を絶する世界?!
私たち企画の人間が「このデザインには金文字が合うのでは?」と意見を言っても、意見同士のぶつかり合いでは必ず力がある人が勝つんですね。そこで、私たちは、グループインタビューの時に、赤文字・黒文字・金文字のデザインを持参して消費者に投票していただくようにしています。これで「金文字がいい」と投票した人が多ければ、それは「事実」なので、力のある人の「意見」に勝つ突破口になります。毎年この方法を続けてきて、今では「新茶の文字は赤」という不文律は消え去りました(笑)。
何か新しい企画にチャレンジするとき、事実を確かめることはとても大切だと思います。当社のグループインタビューをご利用になるのも良いし、近くにいる消費者複数に聞いてみることも価値があります。どうぞ一度お試しください!