着物と日本茶

こだわりと余裕の着物女性。

 9月21日に金子園様が二回目のテイスティングフェスティバルを開催されました。来場者数570名。これだけ日本茶に興味を持つ人がいるのだ、としみじみと嬉しい盛況ぶりでした。

その中で気になったのが、着物を着た女性たち。そんなに多くはないのですが、ちらほらといらっしゃいました。私は、着物を着ていらっしゃる方を見かけると、「素敵なお召し物ですね」と必ずお声がけをして、お話をさせていただきました。

皆さん、「着物が好きなのだけど中々着ていく場所がなくて」というのが共通点。「お点前のお茶会のような雰囲気なのかと思って来ました。予想とちがったけれど、きちんとスタッフが急須で淹れてくださるので満足」とか「全員着物で、みたいな場所は苦手なのだけど、着物が場違いで浮いてしまうのも困る。この催しの感じはワタシ的にはちょうど良いですね」とか「着物は時々着ないと忘れてしまうのですよ。日本茶のイベントなので、着物を着て行きたいな、と思って申し込みました」というような発言。

若い年齢層は「こだわりがあって、自分のスタイルを大切にしている」感じ。年上の女性たちは、子育て卒業世代という感じで、一様に生活に余裕がある感じを受けました。

着物を着る「場」を提供する。

 日本茶というと、それはお抹茶や茶道でなくても、「着物」で出掛けるきっかけとなるようです。確かに、私たちの開催する消費者座談会にも、ここ数年一人か二人、着物で出席される方がいます。どことなく気合いを感じて、司会のテンションも上がります。つまり「着物と日本茶」という組合せは、イメージしやすいということ。

以前の座談会で、フラダンスを習っている女性が、「ホテルのハワイアン料理のディナービュッフェにムームーなどのハワイアンな衣装で行くと10%引き」という企画にハマって、フラ仲間を誘って押しかけて超楽しかったと話していたことを思い出しました。たとえば、七五三や成人式など、着物を着る機会が増える時期に合わせて、「着物でご来店いただいたら○%引き」とか「抹茶事始セットを特別価格で提供」とか、店内に茶室とか和を感じる空間があるのであれば、そこで撮って店内に貼り出す(もしくはプレゼントする)とか、もっと進めて日本茶を淹れたり飲んだりするスナップ写真を撮影する「日本茶と私・撮影会」を企画するとか、色々仕掛けることができるのではないかな、と思います。

ハレの日 経済効果?!

 「別にハワイアン料理が格別スキって訳じゃないけど、そういう衣装で出掛けたら、なんだかとても盛り上がってしまい、期間中に複数回友だちを誘って足を運んでしまいました!」という風に、熱烈なファンを作れるかもしれません。

きっと着物を着るというのは、日常ではなくハレの日なのです。だから「今日は特別」という気分になりやすいはず。お財布のヒモも、多少ゆるくなっているにちがいありません。