凸 凹マーケティング。

▼臭いのない納豆?!

私たちが今まで商品開発をする時に大切にしてきたのは、消費者の不平不満を探して、その不満を埋めるような商品を作ろうということでした。たとえば、「納豆は栄養価も高いし簡便だし味も好きだけど、あの臭いが残る気がして食べない。」という人がいた場合、臭いがない納豆を開発する、という感じ。ある意味、商品の凹の部分を埋めるという発想で、凹型商品開発というようなものです。身近なところでは春待ち茶。「春はちょこっとお返しをする機会が多いのに、お茶屋さんの店頭に並んでいる1,000円以下のものは可愛くない。」という声に押されて商品化したという経緯があります。

▼顕在と潜在。

凹型の商品開発は、言い方を変えれば顕在ニーズを商品化したものですが、今グループインタビューを開催すると、なかなか新しい顕在ニーズに出会うことが難しくなっていると感じます。そこで、明確には語られないけれど、「これらの発言を繋ぎ合わせると今まで存在しなかったこういう商品が成立するかも?」という仮説に基づいて、消費者も自覚していない潜在ニーズを引き出すという試み、つまり消費者が目の前に出されて「ああ、そうそう、こういうのが欲しかったんだよね。」と思えるような商品を作れないだろうか、と考えるようになりました。
▼凸型商品を育てる。

言ってみればこれは凸型の商品開発。この場合は、最初から100点が取れるのはまず無理で、消費者の「もっと〇〇だったらいいのに。」という声を聞きながら商品を育てていくもの、とマーケティングの本にもありました。
当社で初めて飲み方までの提案をさせていただいている「ねむりひめ」についても、消費者にセットを送ってユーステストをしてもらいましたが、5段階評価の中でよい・ややよいに〇をした人が9割。味については「甘くてまったり、お茶の風味がきいていておいしい。」「甘みがあり上品な味わいでした。美味しい‥。」「お茶の葉そのままの新鮮さで飲みやすくさわやかな味」「深い味わいがあった」「色が美しくまさにおめざめという感じ」等々、高い評価をいただきました。一方「1回では氷とお茶の量の調節がうまく行かないので、溶けきらなくて常温でしばらく待った」「ロックアイスで作ろうとしたら急須のフタが閉まらない」「夫婦二人で飲みたいのでもう少し量が欲しいので、今はハーブティー用の大きめのガラスの急須で毎日作っています」というように、まだまだ100点をいただけないのも事実。でも!! あるモニターさんの言葉「しかし!いずれも作る側の工夫でどうにでもなること。この容器のほどよさとか美しさ・おいしさの方が価値があると思えました。」という記述に支えられ、次のステップアップを目指そうと心新たにしている今日この頃です。