「熱湯OK」と「湯冷まし不要」

 

湯温による商品構成 

 座談会をやっていると「湯冷ましした方がよいのはわかっていても、とてもそんなヒマはない」という意見に度々出会います。煎茶は「湯冷まししなさい」と書いてあるので、湯冷まし不要の「抹茶入玄米茶」や「ほうじ茶」になってしまうという発言も多いです。

              そこから発想して昨年の内覧会では「ひんやり(水出し系)」「熱湯系」「湯冷まし系」というカテゴリーで商品構成を考えた陳列の提案をしました。温度をまったく考慮しなくてよい「ひんやり系」が超初心者向き。次に敷居が低いのが、アツークすればOKで加減の必要ない「熱湯系」。一番難しいのが「湯冷まし系」という順番です。(湯冷まししてお茶を淹れる余裕なんて、多分80歳超えなければ作れない、という発言さえあります)
           

 

  「熱湯○○」は胡散臭い?

最近の座談会で、新たな発見をしました。「熱湯玉露」とか「熱湯煎茶」というようなネーミングは、どうも胡散臭いようなのです。何か添加物が入っているのかな、というイメージを持つ人もいます。また「熱湯」というコトバを使うことで、「沸かし直さなくちゃいけないのかな」という心配も生じるらしいのです。では何がポイントか?

              「湯冷まし不要」という表現が一番ココロに響くみたい。「熱湯OK」ではなく「湯冷まし不要」のお茶、できれば煎茶を手軽に飲みたい。パッケージはもちろん、そういうお茶の開発が必要ということかもしれません。
           

     
 ▼ 中味のお茶の開発で期待されること

もともと象印さんが「ロックDEお茶」をトレンドにしたい、と考えたきっかけは、主力商品である湯沸しポットの売上や、ステンレスボトル(いわゆる水筒ですね)の温冷兼用と冷専用の売上構成比の変化だったそうです。つまり「おうちでお茶を飲む」という当り前の光景に変化が現れて、いるのではないか、ということ。

実際私たちがグループインタビューをしていても、夏場にポットや急須を棚の奥に仕舞ってしまう人は、暑い季節は麦茶かPETボトルが主流。そして秋になっても、ポットも急須も棚から出て来ないという危険性もはらんでいるのです。夏にポットも急須も仕舞わせないこと。これは日本茶をどんどん飲んでもらうためには、とっても大切で基本的なポイントです。