「友のため」なら気前よく?!

伸びるプレゼント市場

先日の日本経済新聞の記事に「お手軽ギフト 若者の心包む」という記事がありました。これは、過去の座談会報告(2009年6月の座談会報告)を裏付けるような内容で、やっぱり一年前に感じていた潮流は、かなり本流になりつつあるのだな、と納得した次第です。
一言で言えば、たとえば子ども服のお下がりをくれる友だちにお礼をするというような季節を問わないパーソナルなプレゼントは、中元・歳暮・引き出物を除いた個人同士のカジュアルギフトとカテゴライズされるようですが、この市場規模は2009年で3兆5千億円と推計され、2006年対比で2割弱の伸び。中元・歳暮・引き出物のような儀礼ギフト(いわゆる贈答品)が3%減る中、堅調だとありました。その上、「プレゼントの価格は控えめでもラッピングや包装で特徴を出そうという人が増えている」との指摘。「パーソナルギフトはぱっと見の総額で選ぶ!グラム単価ではない」という私たちの感じていた潮流が、ズバリ言い当てられていました!
相手を想って商品を組み合わせる

今年の座談会では、このパーソナルギフトに焦点を絞って、消費者モニターさんに簡易的なお買いものごっこをしてもらいました。お茶は100グラム以上のサイズは置かず、一回使い切りサイズや、20グラム、30グラム、などの少量パックを沢山紛れ込ませ、お菓子やお煎餅、プチ風呂敷や篭やラッピンググッズ、アロマ系の商品、佃煮やお米の少量パックなどなど、思いつく限りのちまちました商品も取り揃えました。まずは「誰に何を予算いくらで贈りたい?」という部分を一人ずつ引き出してから、実際に商品を組み合わせてプレゼントを作ってもらいます。
このごっこ遊び、60代以上はとても苦手。迷うのに決められない。普段こういうプレゼントをしていないのだな、というのがわかります。
ところが、50代のアンテナ高そうな人や、年代が下がるにつれて、本当に楽しそうに「おおっ」と思うような組み合わせをしてくれます。一人ひとりプレゼンテーションをしてもらうのですが、ストーリーがきちんとあるのに驚きました。

ストーリーが大切!?

たとえば、「会社で使いきるようにティーバッグのお茶と甘いものと辛いもの。サイズも机の引き出しに収まるからこのプチボックスに入れて」とか「すごく自然食に感心が高い人だから、この有機栽培でトウモロコシフィルターのティーバッグと、からだに良さそうな国産のティーハニーの小瓶を、エコの象徴の風呂敷に包んであげたい」とか「一人暮らしの先輩なので、自分じゃ買えない贅沢で良いものをちょこっと、がポイント。この玉露の一回分のパックを2つ。風呂敷を透明ボックスに入れたて一緒にセットしたら、オトナな感じが出て喜んでくれると思う」とか。
そして興味深いのは、最初に語っていた予算を500円から1000円オーバーしても「この商品をあげたい」「これとこれを組み合わせたい」という熱意さえあれば「まっいいか」と許容してしまう気前の良さ!
日本茶、この市場にどう分け入るか、なんだかワクワクしてきませんか?