一福桃

自宅カフェ、
ママは町の起業家

いつかは自分のお店を持ちたい!̶夢の実現にはハードルがつきものですが、日本茶を扱うお店となれば一層難しさが増すのではないでしょうか。お店のイメージづくりやインテリア、ロゴデザイン計画、お茶の仕入れ先から開業支援の助成金取得、商品の展示方法までサポートさせていただき、初めてのお店開業を実現されたのが、ここ「一福桃」のママさんオーナーです。

購入された築25年鉄骨3階建の1階部分は、店内に焼き台もある魚屋さんでした。1期工事:住居部分の全面改装、2期工事:町並み保存と修繕としてのファサード(建物外観)工事が一段落したところでいよいよ第3期:1階店舗の活用計画が本格的にスタートしました。奥様が趣味で長年続けてきた手作り和菓子(一番人気は銅板手焼きどらやき福重ね)と大好きなお茶が楽しめる和スタイルのお店、町の人が気軽に寄れて一息ついてもらいたい、若い人にお茶の美味しさを伝えたいというお店のイメージをお聞きして、和により過ぎず明るい店内のカフェスタイルを提案しました。とはいえ腰高さまで貼られた白いタイルに床はモルタル、大きなステンレスフードが目立つ元魚屋さん。レトロ感をこの際活かして、旧東海道沿いの歴史ある商店街に馴染む空気感を目指しました。提供する食材にはこだわって安全で良いものを提供したいというオーナーの思いを実現するためにも、工事にかける費用は極力抑え、壁天井はご家族と私たち設計組が力を合わせてペンキを塗りました。「素材を選び、手をかけて」は餡子作りと店づくりに共通した成功の秘訣なのです。

一福桃 岩本佳子さん

何かお店を自分で、と決まってからわずか1年。立地を活かせて自分で出来ること、在庫が負担にならない事を条件に吟味した結果、日本茶と和菓子に行き着きました。地域に溶け込み、自分の好きな事を自由に実現している今は、毎日とても充実しています。