記憶に残る指名される商品

量販店では場当たりジプシー

 60代以下の座談会では、緑茶リーフを購入している人の大半が量販店で購入しています。6人参加者がいたら、1人は購入しない(もらいもので済む)、1人は専門店で購入する、残りの4人は量販店の棚で購入する、といった印象です。(但し、静岡県民だけはちがいます。知り合いの茶業関係者から購入するのが主流で、茶専門店を使うのは贈る時、量販店の棚はいつものお茶が切れた時の緊急対応といった感覚です)
 そして、量販店の棚で購入する人のかなりの割合(感覚として4人に1人)が「決まったブランドはない」と答えます。曰く「その時に増量サービスとか月刊割引強化商品などの割安感があるものを選ぶ」「なんとなくパッケージのイメージに左右される(農家の人の写真がカッコイイとか、和紙がかかっているパッケージだから高級でおいしそうと感じたり)」「価格を目安にする(100グラム500円くらい出せば失敗しない)」など、あいまいな基準というか感覚を頼りに、場当たり的な購入をしています。
 つまりこれって確固としたブランドとして認知されていないということ。おいしいと思っても、茶缶にざーっと入れたら袋は捨ててしまうので、どこのなんというお茶なのか覚えられず、結果なかなかリピートに結び付かないというご指摘もありました。
強みと弱みを仕分する?!
 消費者モニターさんの「記憶に残らない」「ブランド力がない」という上から目線のご指摘に少々傷つきながら考えたのは「そもそもブランドって何だろう?」ということでした。
 ブランドって、今ある自社の仕事を、強みと弱みとに仕分して再構築する作業の向こうにあるのかもしれません。
 たとえば、卑近な事例で恐縮ですが、吉村はハシモトが社長に就任するまでは「総合パッケージメーカー」というのがキャッチフレーズでしたが、ハシモトは「茶業界のビジネスパートナー」と変えました。総合パッケージというような大きな土俵を切ってしまうと絶対日本一にはなれないが、茶業界に特化すれば一番も夢ではないと考えたのです。ブランドと聞くと、誰が聞いても知っているナショナルブランドを思い浮かべ、「当社にはムリ」と考えてしまいがちですが、得意な領域にわざと小さく土俵を切ると、特長がとんがって、記憶に残る(ある意味でのブランド化)ような気がします。

特長をとんがらせる

 たとえば、地方のお茶屋さんで、新茶時期に地元のお水を産地に持参して仕入れるというようなお話を聞くことがあり ますが、「品質一番」とか「おいしさ抜群」とかいう汎用的な表現ではなく「○○県の水に一番合った」みたいに、「他県ではおいしさを保証できないかもしれないけれど、県内なら当社は全国ブランドの大手さんに負けないよ」という切り口で消費者にアプローチする方が、ブランドとして認知される確率は高いと思います。デザインも大切な要素ですが、同時に(もしかするとデザイン以上に)他社とはちがう強みはどこか、どこに土俵を切るかを、をくっきりと線引きしてみることが、記憶に残る商品を作る第一歩かもしれません。
 補足ですが、チャック袋は茶缶の代わりに使う方が多いので、全部使い終わった時点で「これおいしかったからまた買おう」とリピートされる確率が高いですね!
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