とんがることがブランド?!

「どれもこれも」と言われて‥。

 座談会で「スーパーの棚に並んでいる日本茶は、どこがちがうのかわからない」「どれもこれも似たり寄ったりなので、価格で選んでしまう」という発言は、本当によく聞かれます。「どれもこれも」「似たり寄ったり」って、具体的に言うと‥?

 「新鮮」「爽やか」「まろやか」「香り高い」「深蒸し」「やぶ北」などの記述。同じ価格帯のシリーズで展開されているのなら選ぶ指標にもなるけれど、バラバラの容量と価格で並んでいて、安くても高くてもキャッチコピーに大差はないため、どれを選んでよいのかわからない、とのこと。

 うーん、なるほど。それで「えい、ままよ」と価格を頼りに選ぶのでは、日本茶を選ぶ楽しみには程遠いですよねえ!


言葉を捨てる!?

 まず、「いろいろ書いても伝わらない」ということを感じます。味もいいよ、香りもいいよ、と言葉を重ねるほど、商品の強みは何か、焦点がボケてくる。究極、「コピーは一行」くらいの覚悟があった方が、インパクトはあるのかもしれません。

 その座談会で例に挙がったのは、「一煎入魂」というネーミング。DINKS(夫婦共働いていて子どもがいない)で、朝食の後とお酒の最後のシメに一日二回急須で日本茶を飲むという女性は、「茶ガラが残っていると衛生的でないから一度淹れたら捨ててしまうので、二煎目・三煎目までおいしい、という日本茶は、お金を捨てているみたいでもったいない」と感じていたそうです。そこで、一煎目だけすごく味が出るけど、二煎目で薄く不味くなる日本茶に「一煎入魂」というネーミングはどうか、という話が出て、盛り上がりました。


強みは何か、購入者が知っている!

 通常の感覚では弱味に分類される「一煎しか出ない」という部分を、強調してしまう自由な発想に驚いたのですが、たとえばハーレーダビッドソンなんかも、きっと市場に登場した時には、「不良っぽい」と眉をひそめられる部分(ある意味弱味?)があったと思うのです。けれど、少数派ではあるけれど、「大人になっても不良少年のような(体制的でない)心を失いたくない」と密かに感じている大人の心に響いて、いつの間にか、個性・強み・ブランドに進化していったのではないか、という気がします。

 まずは、強みと弱味が何なのか、自社だけでなく、ライバルのコピーも把握して、その比較において「買いたくなる」力を持つ、一点突破の強みを「とんがって」考えることが出発点。まずは、買ってくださっているお客様に「なぜ当社の商品を選んだのですか?」と聞いてみましょう。思わぬ強みが発見できるかもしれません。

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