第46号 株式会社牛島製茶 牛島敏博氏

茶業に携わるたくさんのガンバル人の中から、

とびきりの頑張りやさんをご紹介するこのページ。

今回ご紹介する牛島製茶様は、

八女で、生産・製造・販売までを

一貫して手掛けていらっしゃいます。

創業80周年を期に、ロードサイドに

約30坪の素敵な新店舗をオープンされました。

「二人揃えば四六時中企画会議」とおっしゃる

素晴らしいパートナーシップの牛島ご夫妻です。

株式会社牛島製茶
代表取締役社長 牛島 敏博氏
ガンバル牛島夫妻!
●お客様が主役のお店
しあわせ・よろこび・ときめき・まごころ・やすらぎ…。牛島製茶の茶銘は、どれも心が温かくなるようなネーミングである。十年前にきくみ夫人が「家族のあったかみ」を心に思い浮べつつ命名した。
「『しあわせ飲んで私もしあわせになろ。』と冗談ぽくおっしゃるお客様も多くて、そんな時には私まで幸せな気分になっちゃうんですよ。」と奥様は笑顔を見せる。
もともと格式は捨てている、と笑う社長だが、旧店舗のコンセプトは「やすらぎのある店」。平成十三年一月にオープンした新店舗は、お客様がいい気持ちになって帰れるような「お客様が主役の店」になるよう心を砕いた。
夫婦で旅した時に泊まった、離れのある旅館。少し贅沢ではあっても、そこで支払ったお金は少しも惜しいとは思わない。調度品も接客のタイミングも雰囲気も、すべて行き届いていてゆっくりとした時間を過ごせる。「ああ、こんなお店にしたいね。」と夫婦で話したと言う。
「しあわせ」くださいな。
●フリーのお客様がふっと立ち寄る。
新店舗は国道四四二号線沿いにある。休日のドライブで八女を訪れた観光客が、ふっと引き込まれてしまう工夫がいっぱいだ。
駐車場を店の前ではなくサイドに配置し、道路からは店舗の中が見える。ガラス越しの和紙(八女特産)のオブジェ・間接照明の柔らかさ・和風でありながら少しも敷居の高さを感じさせない雰囲気…。店内では、「抹茶カステラ&抹茶セット」「抹茶プリン&ほうじ茶セット」(各三百円)で「ちょっと座って一息入れる」こともできる。
「決まりましたらお声をかけてください。」お客様が迷ったり選んだりする「自分で楽しむ時間」を大切にした接客が徹底されている。プロとしての知識を押し付けるのではなく、フォローしお手伝いする姿勢。あくまでも「主役はお客様」なのだ。
従来は口コミと固定客主体だったが、新店舗になってから十代・二十代のカップルをはじめフリーのお客様が増えた。まだ古くない旧店舗を立地を理由に思い切ったが、新店舗は次代に向けての大きな布石となった。

2001年正月にオープンした新店舗。

国道から見える和紙のオブジェ。

店内のそこここに
心和む仕掛けがある。
●深蒸し八女茶への挑戦。
創業は大正8年。初代牛島定次郎が、小さな手もみ小屋を建て、矢部・星野地区にお茶の手もみの 指導を行ったのがそもそもの始まりである。
二代目英次(現会長)が家業を継ぎ、製造に軸足を置いて事業を展開。現社長は三代目になる。
卒業後静岡の茶業試験場で研修、この時(昭和五四年)に深蒸し茶と出会った。「毎日毎日飲んでいく中でその魅力にとりつかれていった、という感じでしたね。ほーんとにおいしいし、ぷーんといい香りでね。」と社長は当時を振り返る。
静岡から帰り、世帯を持ち、「手伝いから家業の主体へ」と立場が代わる中で、「一生懸命作ったお茶だからこそ、自分で値段をつけてお客様に売りたい。」という思いが膨らみ、仕上げまでして小売に力を入れるようになる。そして「どうせやるなら、どこにでもある普通のお茶ではなく、特長のあるお茶で勝負したい。」と、深蒸し茶への挑戦が始まったのだ。

座ったお客様より高い場所から給仕することがないように、
調理スペースは一段低くなっている。

腰をおろして一息入れる場所。
●細かな茶にこそおいしさがある。
きくみ夫人は、茶業とはまったく関連のない家から嫁いだ。結婚前に持っていた「お茶屋さんてヒマそうだな」というイメージは、結婚後みごとに覆される。
その上、八女ではまだ馴染みのない「深蒸し茶」に社長が挑戦したため、「粉茶が入っている」「急須が詰まった」と苦情の電話の対応に追われ、最初は電話に出るのが恐かった。
「でも主人やおじいちゃんが、畑でも工場でも一生懸命作っているのを見てるから、自然に言葉に力が入るんです。ぜったいに悪いお茶じゃない。粉ではなく、細かな茶にこそ深蒸し茶独特のおいしさがあるんだって。」
深蒸し用の急須を使ってもらうことが、誤解を解く第一歩と、「欠けた急須は百円で新品と交換」等、思い切った作戦で、お茶の間に切り込んできた。
夫妻の絶妙のコンビネーションによって、「深蒸し八女茶」は、牛島製茶の名と共に、人々に愛されるようになった。今日も新しいファンが「『しあわせ』くださいな。」と、新しい店舗のドアを開いている。

モノと憩うスペースが融合した店内。 

牛島製茶株式会社
〒834‐0024
福岡県八女市大字津江397
TEL
0943‐22‐4818
FAX
0943‐22‐4829
URL
http://www.yame.co.jp/
E‐MAIL
ushijima@yame.co.jp
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