第63号 有限会社アロエランド 代表取締役社長宮城晴恵氏

茶業に携わるたくさんのガンバル人の中から、とびきりの頑張りやさんをご紹介するこのページ。今回は、無着色・無添加なのに褪色しない「緑茶ペースト」を商品化させたアロエランド社長 宮城晴恵さんにご登場いただきました。研究開発者の赤根川峰夫先生(株式会社サーマクリエィション社長)の「静」と宮城社長の「動」。絶妙なコンビネーションで、「生活の三六〇度にお茶!」の世界を目指します。

●「熱しても、冷やしても、何に混ぜても、緑茶そのまんまの緑色」とパンフレットにありますが、何か添加物が入っているのですか?

 

宮城:特許申請中で詳しい製法は申し上げられませんが、すべて食品として認められてる物だけで作っております。
まず私どもは荒茶を粉砕した粉末茶(ご希望であれば抹茶)を仕入れます。それを加熱容器に入れ、少量の酵母とお水を入れて火にかけ、高い温度で煉り込みます。そして煉り込んだペーストを約九〇度に冷却したところでパッキングをするのです。この工程により常温でも無菌状態が保たれますし、一年半経過しても色は鮮やかな緑のままで、味もカテキンも香りも緑茶そのものです。
ケーキ・パン・クッキー・パスタ・茶飯と、多彩な食材に混ぜても鮮やかな緑色がそのままなので、大変美しく食欲をそそり、商品価値は大幅にアップするでしょう。
さらに用途は食品に限りません。紙に漉き込んで壁紙にすれば、シックハウス症候群には無縁の癒される緑茶の香りのある生活が可能です。また繊維に取り込むことで、衣類やタオルケット、ガーゼ、布団など、様々な用途が広がります。マスクや紙おむつなどの衛生的なアイテムに活用しても面白いですよね!
赤根川:商品だけではなく身近な使い方として、フットバスに使って水虫を予防したり、介護施設などの入浴に使用したり、生活シーン全てで活用できる素材です。墨汁の代わりに、緑茶ペーストでお習字をしたら、文字からふわっとお茶の香りがするでしょう。想像は無限に広がりますね。

●前例のない商品を開発するのは、大変なご苦労があったのではないですか?

赤根川:もう、それはプロジェクトXX(ダブルエックス)という感じでした(笑)。もともと私は、レトルト食品の野菜の色を鮮やかな本来の色のままキープする、というのが研究の目的でした。食品加工の世界で、本来植物が持っている緑色をキープし食卓に潤いを、ということが大きなテーマだったのです。十一年前に静岡に来て、どうせなら地場産品である緑茶で、と研究を続けてきました。褪色は致命的で変色したものには五感は響きません。変色しないということは緑茶のポテンシャルを上げるということだと考えています。
宮城:私は、アロエと共に生きて来た人生です。特に十六年前にアロエベラに出会って、微量栄養成分が二〇〇以上あるアロエベラを最高の野菜として世に広めたいと考えて来ました。また、モノを生産するだけの百姓ではなく、どんなお粗末でもいいから、自ら発信し受信する、つまり交流する農業をしたいと考えてアロエランドという交流の場を作り、観光農業というカタチを作って来ました。
けれど、赤根川先生が渾身の思いで実現させた緑茶ペーストが、なかなか日の目を見ない。大手さんの中には特許を囲い込もうとされるところもありましたが、赤根川先生の「自分が開発したこの技術を大きな会社のひとつの儲け材料とするのではなく、農家と共に成長する事業にしたい」という思いに共鳴し、「畑違いの私共でもお役に立つことができるなら」とアロエランドが生産する決心をしたのです。
緑茶を三六〇度生活に生かすことが出来れば、同じ百姓の立場として、現在の茶農家さんの一筋の光になることでしょう。
この緑茶ペーストを、水やお湯で溶いて飲みましょう、という発想はありません。そうすると急須で淹れるお茶とのパイの奪い合いになってしまいます。そうではなくて、お茶を消費する場面を「生活の三六〇度」に広げて、二番茶もどんどん使われるようになって、お茶の消費拡大をしたいと思うのです。
現在の設備では、一日に三百キロの生産能力です。この規模では、アロエランドの内職のレベルですからね。もっと需要を創造して、二交替・三交替・設備拡張、と夢は広がっています。

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