おいしいものにはお金を惜しまない!?

食卓解体新書!?  

 「食卓解体新書」というNTTデータライフスケープマーケティングさんという会社が出している本を読んでいたら、面白い統計データを見つけました。 
 「高くても良い食品を買いたい」かつ「おいしいものにはお金を惜しまない」主婦の利用食材の食卓出現率のデータです。(アンケート調査ではなく、実際に365日の食卓に実際に何回登場したのかをずーっと調査し続けているのです。詳しい仕組みはインターネットで調べると出てきます)
 この二つの項目に当てはまると答えた主婦群Aと当てはまらない主婦群Bで、出現率が大きく異なる食材を約2,000種類の食材リストからランキングしたデータを見つけたのですが、ベスト1位は天然塩、2位が緑茶のリーフ(ティーバッグ含む)、3位がコシヒカリなんです。ちなみにレギュラーコーヒーは11位にランクインしています。おお、我らが緑茶リーフはなんと2位!!!! うれしいじゃありませんか!


ワースト10では対照的な食材が‥

 逆に、「高くても良い食品を買いたい」かつ「おいしいものにはお金を惜しまない」主婦がこだわり食材として選ばないものの1位は牛乳です。「おいしい牛乳」とか出ていますが、高くても良い食品としては認知されていないということかしら?

 面白いのは、ベスト1位の「天然塩」に対して単なる「食塩」はワースト8位。「コシヒカリ」はベスト3位ですが「その他白米」はワースト4位。「レギュラーコーヒー」ベスト11位に対して「インスタントコーヒー」はワースト2位と、対照的な食材が登場していることです。でもベスト2位の「緑茶リーフ」の対照食材は、というと、ペットボトルはないんですね。
 強いて言えば紅茶・ハーブティがワースト7位に入っていますが、ちょっと対照食材と呼ぶにはムリがあります。 きっと「緑茶リーフ」というカテゴリーには天然塩のようなこだわりの強いお茶も、単なる食塩という感じの価格が安ければよいというようなお茶も両方含まれているのだと思います。茶業界では、この部分がいつも同じ土俵で話されていますが、もしかすると「量販店の棚で売る日常茶」と「専門店の接客とともに売るおもてなし(あるいは自分にごほうび系)のこだわりのお茶」は、きちんと整理して分けた方が戦略を立てやすいのかもしれません。


価格ではなく質の競争へ

 商品の付加価値訴求には、その付加価値に対するニーズを持ったターゲット層の特定と、その付加価値を伝える効果的なコミュニケーションが必要だと、この統計データの総括は結ばれています。

 「なぜおいしいのか」「なぜ安心なのか「どうしてこだわって作っているのか」を効果的に伝えることができれば、価格競争ではなく質での競争へと、新しいステージを作ることができそうですね。