100g平袋の終焉!?

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30年前の茶袋サイズ
ハシモトは54歳ですが、私が当社に入社した頃は、200gが日本茶パッケージの主流でした。形態もガゼット袋というマチ付の細長い袋です。ギフトの箱は5-2という名称の「200g缶の2本入れ」が主流でした。現在主流の100gの平袋は、新茶シーズンに高額の商品を売るために開発されたもので、新茶時期にしか売れないサイズだったのです。
あれから32年。ペットボトルが登場し席巻し当たり前になり、ティーバッグや粉末茶も簡便性だけでなくグレードを訴求してギフト市場に採用されるようになりつつある現在、100gという茶葉の量や110×230㎜という袋のサイズがスタンダードであることが永遠ではない、と感じています。
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特上牛肉なみ!?
座談会で「日本茶の茶葉の値段、あんまり覚えていない」と話す人は50代以下では半数以上います。「実家からもらう」「仏事のお茶で足りる」「半年に一度など購入頻度が高くない」というのが三大理由ですが、覚えていないので、グラム単価ではなく総額で「高い」「安い」を判断しているのです。
特に、普段スーパーで買い物をする人にとっては、100gの重さと大きさで千円、というのは、かなり「高い」イメージです。「特上すき焼きの牛肉なみの価格」と言っていた消費者の方がいたので、「一度に全部飲むわけじゃないんだから、牛肉とは全然土俵がちがいますよね?」と私が返しましたら、「そう、一度に全部飲むわけじゃないんだから、なんでこの大きさなのかしら?」と疑問を呈されました。言い換えれば、もっと少ない分量で良いということです。
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マニュアルから始める必要性
「この茶葉の量で何杯飲めるのですか?」というのもよくされる質問です。そういう質問をされる方は、「コーヒーはきちんとしたメジャーがあって計量が出来るし、コーヒーメーカーにお湯の量も明記してあるのに、日本茶は不親切極まりない」とおっしゃいます。マニュアル通りではなく「今日はイマイチだったな(>_<)」「今日は味がピッタリ決まったな(^o^)/」という心の中の微妙なさざ波も日本茶の楽しみだと思っているハシモトのような人間は超少数派なのだと思い知らされます。
逆に、冷茶ポットと日本茶をセットで販売することに昨年の夏、成功したお茶屋さんは、「若いヒトほどマニュアル通り。この冷茶ポット用のお茶葉です、と一回10gの個包装のお茶を付けて販売したら、きちんとリピートして、一か月あたり300gくらいお茶を買った」とおっしゃっていました。日常茶飯の時代の常識を一度脱ぎ捨ててしまえば、新しい切り口は沢山あるのかもしれません。