体験を試す「ビギナーセット」


20種類各2本の圧倒的なお試し感
消費者座談会で、「お香のトライアルセットが超ワクワクした!」と熱弁する若い女性の言葉を思い出し、ネットで取り寄せてみました。20種類のお香が2本ずつ、計40本で3,360円。すぐにお香を始められるように、小さなお香立てがついていて、それぞれのお香の特徴が俯瞰できるようなリーフレットもついています。「好きなお香を見つけるための圧倒的な近道」というコピーが繰り返し書いてあって、お香の世界は奥が深いんだな、でも初心者はここからスタートすればいいんだな、と気持ちが誘導されていきます。
楽天1位を取り続けている、とウェブサイトにありました。座談会で熱弁していた女性は「2本というのが心憎い。1回ではわからない初心者のことをきちんとわかっている!」と絶賛。「他のお香トライアルは、30本入りの小箱で5種類みたいな中途半端なトライアルなの。2本で20種類っていう圧倒的なお試し感はココだけ!」と、まるでお香屋さんの営業マンか、という惚れ込み具合でした。

年配者が孫に贈るお試しストーリー
先日うかがったお茶屋さんでは、急須を贈りたくなる箱を、「日本茶はじめてセット」として販売していらっしゃいました。急須とお茶ときちんと量れる計量スプーン。プラス、お店で作られた「ぜったいおいしくお茶を淹れられる箇条書き」を水に濡れてもヨレヨレにならないようにきちんとラミネートしてセットされていました。
年輩のお客様がお孫さんに贈ることを想定されて作ったとのことですが、お客様からの声で「お湯をこぼしても大丈夫なようにラミネートした」という「おいしく淹れられる箇条書き」が光っていました。

季節プレゼントの顔で、ノリで買わせる仕掛け
金沢のコーヒー屋さんで出会ったビギナーセットは580円。ハロウィンの手提げに、プラスチックのメジャースプーン、3回分くらいのコーヒーの粉、フィルター3枚、プラスチックのとてもチープにフィルターを立てる容器。店頭ポップには、「インスタントじゃない珈琲の、お湯を注いだ時に立ち上る香りを体験してもらいたくて・・」とありました。とてもチープな道具なのですが、一応一通り揃っていることと、ハロウィンという季節のプレゼントの顔をしていることがポイントかな、と思います。ハロウィンのプレゼントを探していて、「あっ、こんなのも面白いな!」と手に取らせる札の切り方。ビギナーセットとして普通のラッピングだけだと、「ノリで」プレゼントするという可能性が激減する気がします。
これを日本茶にしてみると、どうなるかな、と考えてみました。急須だと価格が張るしノリでプレゼントするには重いですよね。たとえば、「茶こっしー」という名の、紙コップにセットして使う簡易急須になるプラスチックの茶こしがあるのですが、この「茶こっし―」と3回分くらいのお茶葉、きちんと量れる計量スプーンをセットして、ハロウィンみたいな季節の袋に入れたらいいのかも?
お茶は「和」なので、きちんと量れる計量スプーン初春の袋に入れて年の初めのプレゼントにも面白いかもしれません。店頭ポップには、「ペットボトルではない日本茶の、お湯を注いだ瞬間に立ち上る上質な香りを体験してもらいたくて・・・」と書きましょうか?
一見さんに手に取ってもらうことに焦点を当ててみると、日本茶ってまだまだやれることがありそうです!