茶事記74号WEB用
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ので、僕は『場』とか『間』ととらえています。そんな、求められているであろう『場』や『間』を創出することが新しい手段なのではないか、と考えているのです。」主要顧客の高齢化による茶葉消費の減少、日本全体の人口減少などを鑑み、現在茶葉ではなくペットボトルを購入している世代が消費の中心になったら、日本茶の茶葉の消費は現在の1/3になると見越し、現在の三十歳代、四十歳代に商圏を拡大するために、カフェ「はなあゆ」をオープンした。二十年後を見据えた挑戦だ。女性建築家集団WHAIS(ワイズ)のメンバーが手掛けたカフェ『はなあゆ』は「はる・なつ・あき・ふゆ」から命名し、随所に尾堤社長のこだわりや遊び心がのぞく、びっくりするほどおしゃれな空間だ。某グルメサイトには「ドアを開けると、店主のこだわりがひしひしと感じる茶室に入るような空間がある」「この椅子に座るだけでも来た甲斐があったと思える凄いすわり心地」「トイレの手洗い場、要チェックです。不思議で素敵な仕掛けがあります」「モコモコふわふわの気合がちがう抹茶ラテ」と共感のレビューが並ぶ。「やってみてわかったのは、お客さんは意外とお茶のことはどうでもいい、ということ。器とか飾り花とか空間とか居心地が評価されるんです。もちろんお茶のおいしさは外してはいけないポイントですが、舌で感じるおいしさは最低ラインの必要条件でしかない。『食の本質』ということを最近よく考えるのですが、誰と食べるか?どんな風に食べるか?か?なんだと考えるようになりました」昨年十月にプレオープンし、今年二月から食事の提供を始めた。約四ヶ月間を営業しながら食事メニューの練習期間にあて、どんなスタイルで提供するのか試行錯誤を重ねた。行き着いたのは無化調、化学調味料を使わないメニューだ。よそにない、独自固有であることにこだわった。化学調味料は、本来その食材に無い旨味を加える。無いものをさもあるように入れて、表示しないのはおかしい。それこそが〝偽装〟ではないのか?正しい食のあり方を未来に伝えたい…尾堤社長の想いは深い。たとえば看板メニューのBLTサンド。レタスとトマトは春日部産を調達したが、どう食べるということが、実はとても重要●食の本質は何か?●こだわり抜いたメニュートイレの手洗い場。必見です。カフェ店内。椅子の座り心地にはしみじみ癒される。こだわりのBLTサンド。ミルクを注ぐとモコモコが発生します!西口ふじ通り店と同じ敷地にカフェ「はなあゆ」は建てられた。カフェメニュー。「はなあゆ」外観。もこもこ抹茶ラテホットもアイスも、びっくりするほどモコモコです。4

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