います。結局は資本力がある体力のある会社が勝つ。同じ土俵で戦わないためには、「買ってください」と売り手が頭を下げるのではなく「売ってくれませんか?」とお客様が言いたくなるように工夫することが大切で、それこそがエモーショナルマーケティングなのです。です。いいでしょ、いいでしょ、と迫られると引いてしまう。説明は聞きたくない。説明してしまうと伝わらないのです。「おいしい」「こだわっている」という商品の説明をせずに、どうやってお客様が「ほしい」「買いたい」と思ってくださるか?つまりは翻訳力です。ユー」を翻訳してみる。「好き」「愛してる」という翻訳以外にも、シチュエーションによっては「ばか」とか「私も」という翻訳も成り立ちますよね。「モノを語るな、モノガタリを語れ」とも言われますが、モノを語らずにその良さを語ることが出来れば、お客様に響きます。して「ぽかぽかブレンド」とネーミングしましたが売れなかった。次に「しょうが入りぽかぽかブレンド」と変えましたが、さして売上は改善しませんでした。そこ私は、安売りは金持ちの商法だと思ってお客様は「売り込まれる」のはイヤなんたとえば映画のワンシーンで「アイラブたとえばしょうが入りのお茶を開発で「落ち込んでも大丈夫ンド」としたら劇的に売れるようになったのです。そういう翻訳の過程で、いつも私が考えているのは「お客様が聞いて素敵に感じるかどうか」という点です。お客様は声なき声で「なんで私がこれを買わなくちゃいけないの?」と問うている。買う理由をそっと忍び込ませることが出来るとうまくいきますね。イチゴのフレーバーのルイボスティー。甘い香りが特長なのですが、「がまんがまんいちごのケーキを食べたつもり」というネーミングにしたら、クスッと笑って手に取られます。ご自身が飲むだけでなくダイエットしている友だちにプレゼントするなど、用途も広がっているように思います。もちろん私も百発百中というよりも、うまくいかないことの方が多い。でも諦めずに、どう伝えるかをいつも考える。忙しいと言い訳せずに、レジを離れて、籠ってうんうん唸って考える時間を確保する。その覚悟がなければ、伝える力は上達しません。よく「逆上がりの理論」と言うんだけど、何度も何度も失敗しても諦めずにチャレンジしていると、ある日突然出来るようになる。コツがわかる。そんな感じです。「そこそこいい」というのが一番クセモノですよ。目立たないから選ばれにくい。心ぽかぽかブレ●エモーショナルマーケティングとは?●「買う理由」を忍びこませる●覚悟を決めれば上達できる広尾店。商店街のはずれだが、若い女性が立ち止まり立ち寄るオーラがある。パンフレット。このセンス!「こんなに面白いマーケティングのお話を単発にしてはもったいない!」と考え、連続講座としてお伝えする第2回。講師は、福井県坂井市の株式会社椿宗善の社長、山口健治氏です。卸問屋から小売りに業態転換し、「三國屋善五郎」を全国ブランドに育て、2012年10月に三國屋を退職、2013年2月に椿宗善を立ち上げられました。前回茶事記以降、東京広尾にパートナー店舗を開店され、当社の営業所で6社限定のセミナーも開催しました。どんどん進化する山口ワールドをお届けしましょう。9弱みを強みに変える!!お茶屋のブランディング講座②変化しますか?やめますか?
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