茶業に携わるたくさんのガンバル人の中から、とびきりの頑張りやさんをご紹介するこのページ。今回は、福岡・西福製茶の西専務にご登場いただきました。26歳で家業に入られ16年。スーパーや業務用の卸を事業の柱に据えながら、海外へご自身が赴き、販売の現場にご自身が立つことで、着々と絆を作り実績を積み上げて来られました。「人の意見には耳を素直に広く傾けるが、最後に決めるのは自分」オープンマインドで謙虚なお人柄が魅力でした。西福製茶株式会社専務取締役宏史氏「一所懸命」今この瞬間の積み重ねが一生を決める●早い時期から海外に目を向けていらっしゃいますね。●これは売れる、と思われたのですね?●どのような事例がありますか?●日本のやり方を押し付けるのではなく、先方が使いやすいように差し出すということですね。ガンバルこの人35から並べていただいた、というのが最初のご縁です。一年に一回のご注文だったが、三年続いたところで「現地に来てみないか?」とお誘いをいただき、3日間試飲販売をしたのです。ものすごい反響で、休む間もなくずうっと急須を握ってお茶を淹れ続けました。3日分用意した試飲カップは初日でなくなる状況で、香港での日本茶への興味、購買力に大きな衝撃を受けました。そんなに簡単ではないですよ(笑)。「クオリティーの高い良いものを適正な価格で売る」というのは最低基準、つまり当たり前なのです。そこにプラスアルファの提案がなければ、「日本茶はなんとなくいいもの」という漠然とした感覚を確信に変え、購買に結ぶことはできません。現地に行き、自分で見て経験することで、たくさんの出会いと気づきがあります。私にできることは限られますが、逆に足りないところを他の方に補っていただきコラボレーションをすることで、可能性は限りなく広がると思うのです。福岡フードビジネス協議会をプラットホームとして、協議会メンバーのASOジャパンさんとコラボした抹茶アフォガードのメニュー提案が一例ですね。バイヤーが商談でイメージが湧きやすいように、レシピが入ったポストカードをあらかじめ用意したり、オーガニックであることを訴求したり、商品のスペックだけでなく「付加価値を伝える」という工夫が勉強になりました。抹茶単品だと提案先は和食レストランに限られるのですが、アイスクリームと組み合わせたことで、フレンチやイタリアンレストランでも業務用として動き始めました。たとえば八女の玉露。最高級品として購入していただけるのですが、実際に現地に行ってみると、本来の良さが伝わっていないことに愕然としました。湯冷まし西9「以前は自分が自分が、だったんですが、この年になると先人の努力やがんばってきた先輩への感謝の念でいっぱいです」と語る専務。自分も後輩に挑戦する背中を見せていきたい。14年前に香港の日系量販店にひょんな縁
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